そのテクニックを理解し意識的に使えることが大切です。今回は、[主語の省略]と[動詞の名詞化]についてです。
会話を磨いてコミュニケーションを高める|誰が言ってるの?
第7回 主語を省略する話し方
新年の初めに夢を紙に書くと、その夢が叶いやすいんだって!
えー!本当ですか?!
早速家に帰ってやってみますね!
って、うちのおじいちゃんが、私が小さい頃いつも聞かされてた。
な~んだ。
博士のおじいちゃんの話ですか?
じゃあ、書いても書かなくても どっちでもいいや。
主語を省略すると、相手の抵抗感がなくなる
最初、博士が
「新年の初めに夢を紙に書くと、その夢が叶いやすいんだって!」と伝えると、マキちゃんは、
「早速家に帰ってやってみますね。」と答えました。
その後、「この話は博士のおじいちゃんの話」と聞くと、マキちゃんは「どっちでもいいや。」と気持ちが変わっています。
この会話は、[おじいちゃん]という主語があるか、ないかだけの違いです。主語を省略することで相手の抵抗感を受けにくくなり、こちらの伝えたい内容が無意識に伝わりやすくなるのです。
但し、[主語]をつけた方が説得力が増す場合もあります。それはその業界で活躍している有名人、権威者などのコトバの場合です。
先ほどの、「新年の初めに夢を紙に書くと、その夢が叶いやすい。」を例にとってみましょう。
2.「新年の初めに夢を紙に書くと、その夢が叶いやすい。」とおじいちゃんが言ってました。
3.「新年の初めに夢を紙に書くと、その夢が叶いやすい。」と心理学では通説です。
4.「新年の初めに夢を紙に書くと、その夢が叶いやすい。」と脳機能学者の茂木博士が言ってました。
どうですか?主語によって、ずいぶんと説得力が変わりませんか?
主語があると、抵抗感が出てきます。特に[2]のように相手の知らない具体的な人の名がでると、「それはその人の意見でしょ。」っと、思っちゃいます。でも、それが有名人、著名人のコトバだと、受け入れやすくなりますね。
「一度決めたことは、最後まで続けなさい!」ってしつこく言っても聞かない子供が、
テレビでイチローが「一度決めたことは、最後まで続けることが大切です。」って言うと、素直に聞いたりします。
あなたや有名でない人のコトバを伝える時は、主語を省略することで、一般的な話のように感じさせることが出来ます。
そのコトバが、有名人・著名人・影響力のある人のコトバだと、主語をつけることで説得力が増します。但し、その業界で活躍している人ですよ。
「乾燥肌には、○○クリームが良い。」らしいですよ。
⇒「ふーん、そうなんだ。」「乾燥肌には、○○クリームが良い。」と、友だちのAさんが言ってました。
⇒「Aさんって誰よ?」「乾燥肌には、○○クリームが良い。」と、イチローが言ってました。
⇒「???? 何でイチロー?」「乾燥肌には、○○クリームが良い。」と、広瀬すずが言ってました。
⇒「試してみた~い。」
いかがですか?
コトバを名詞化して伝える
もう一つ、誘導話法をお教えしましょう。それは、動詞を名詞化するということです。動詞を名詞化することで、相手の抵抗を感じさせにくくなります。
それでは、次の[1]と[2]の会話文を比べてみてください。
1.「あの人は、いつも私のことを否定します。」
2.「あの人は、いつも私に否定的です。」
[1]を言われると、どんな否定をするのか聞きたくなりませんんか?
[2]だと、何となく「そうなんだ」と思ってしまいます。
これは、文法からの影響です。[1]は、一般動詞なので目的語が必要となる文です。その為、具体的な内容(今回の場合は、どんな否定をされたのか)を聞きたくなってしまいます。[2]は、Be動詞的な表現になるので、あの人=否定的な人で完結するので、抵抗感がなくなるのです。
1.「あの人は、暴力を奮います。」
⇒「どんな暴力を奮うの?」
2.「あの人は、暴力的です。」
⇒「そうなんだ。困った人だね。」
まとめ
今回は、誘導話法2として、[主語の省略]と[動詞の名詞化]について書いてみました。
- 主語を省略することで、抵抗感をなくすことが出来る。
- 有名人・著名人のコトバの場合は、主語を入れることで説得力を増す。
- 動詞を名詞化することで抵抗感をなくすことが出来る。
最後まで、読んでくれてありがとうございます。
今日もきっと良い日だよ!
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