クレームを起こす原因について
クレームについての第2回目です。今回はクレームを起こす原因と、
対応について考えてみたいと思います。
03クレームを引き起こす原因
クレームには、1次クレームと2次クレームの2つの段階があります。
まずは、お客様は1次クレームが原因で電話をかけてきます。その時の対応で納得頂ければ、クレームは終了します。
しかし、納得頂けない場合、2次クレームへと発展していきます。
1次クレーム
1次クレームとは、商品(サービス)がお客様の期待値以下の場合に、起こるクレームです。
- 商品(サービス)の不良/壊れている・部品が足りない
- 商品(サービス)の遅延
- 商品(サービス)の効果がみられない など
2次クレーム
2次クレームは、1次クレームの対応時に起こるクレームです。
お客様の要望を受けられない、お客様の感情・気持ちを受け止められないなどから、発生します。
- システム上、お客様の要望に添えない
- 言い訳ばかりする
- たらい回し
- 主訴が掴めない
- お客様の感情を受け止められない
- 誠意が感じられない
- ミス・コミュニケーション など
[システム上、お客様の要望に添えない]というのは、仕方がありません。(その場合は、提案などが必要となります)
それ以外は、皆さんコミュニケータの対応で、2次クレームに発生させてしまう場合が多くあります。
*[・・・・の管理上、そのようになっていないんです。]との説明は、お客様からすると、言い訳になります。
2次クレームの原因は、2つのことから起こります。
- 忙しさなどから、お客様に向き合った応対が出来ていない。
- お客様の表向きの言葉と、裏の心が把握できていない
2次クレームの際、お客様の感情に火がついてしまうと、
ささいな部分(ちょっとした言い回しや、言葉ジリなど)に対しても、クレームをつけます。
こうなると、お客様の本当の要望が見えなくなってしまいます。
- 「何よ、あなたのその言い方。バカにしてるの!!!」
- 「大体、その会社名からしておかしな名前よね。名前変えたらどうなの!!」
- 「今、わたしのこと笑ったんじゃない!!」
この1つづつに対応していると、いつまで経っても解決できません。
早く、主となる原因/要望を掴むことが大切です。
この段階になると、もともとの原因(1次クレーム)ではなく、
「私のような大事なお客様の気持ちをないがしろにしていることをどう思ってるの?」が
根本にあることを忘れないでください。
この段階では、感情の受け止めをしない限り解決しません。
速やかに責任者に変わってもらいましょう。
また、責任者は、まずこう言ってください。
「〇〇さまのような大事なお客様に不快な気持ちにさせたこと、心から深くお詫び申し上げます。」
04クレームへの対応
今回は、2次クレームを引き起こさない対応について考えてみましょう。
まず、大まかなフローを提示します。
クレームは、お客様が感情的になっております。その際に、冷静すぎる話し方は「他人事」に感じられます。
同じトーン、それ以上のトーンで話すと、より感情的になっていきます。では、どうすれば良いでしょうか?
お客様のトーンよりやや低いトーンで話し、徐々にトーンを下げて、お客様の感情を落ち着かせていきます。
感情の受け止め
お客様は、何らかの理由で期待値に達していない為、その不満という感情を抱えて電話してきます。
まずは、その不快な思いをさせてしまったことに、お詫びを伝えます。
「お客様に、そのような不快な思いをさせてしまったことに対してお詫び申し上げます。」
あくまでも、不快な思いに対するお詫びです。内容に関しては、状況を確認してからになります。
*低い声のトーン(冷静すぎる)は、「他人事でしょ」と感じさせしまいます。
やや高め(お客様よりは低め)で話し、その後、少しづつ声のトーンを下げていきます。
傾聴する
もう一度詳細を伺わせて頂きます。ここで、復唱のスキルが必要となります。
- オウム返し
- 事実の復唱
- 感情の復唱
- キーワード
- 重要な部分はオウム返しで対応します。
- 感情の復唱は、同意するのではなく、お客様が持たれた感情の確認を行います。
- 信頼関係を築くよう、心がけます。(ペーシング/復唱/トーン)
- 信頼関係が築けないと、その後の説明は、「言い訳」しか捉えていただけません。
*復唱は、話し方の項目で詳しく述べたいと思います。
要望を訊く
お客様が感情で起こられている場合は、傾聴することで収まることも多いです。
その場合は、
「○○様のような、大事なお客様に不快な思いをさせたことを心からお詫び申し上げます。
今後、こういったことが内容に、最善の努力をしてまいります。
本日は、貴重なご意見ありがとうございました。」
と、「お客様が大事な方である」「お客様のご意見をきちんと受け止めました」という気持ちを伝えます。
では、具体的な対応を要望された場合はどうでしょうか?
対応によっては、できるものと出来ないものがあります。
対応できる場合は、きちんと対応内容を伝えます。
対応できない場合は、違う提案ができれば、その提案をします。
出来ない場合は、肯定的否定語を使います。
例:代替案
「ここでは、タバコは吸えません。」⇒「あそこでなら、タバコを吸うことができます。」
例:肯定的否定語
「出来ません。/お断りします。」⇒「出来かねます。/出来かねるんです。」
備考
自分の応対で、お客様を起こらせてしまった場合、分離法という話法が使えます。
不快にさせた原因部分を切り離します。
- 「私の、あの発言(言葉)が、あなたを不愉快にさせたのですね。」
- 「もし、許していただけるとしましたら、どのような対応をお望みでしょうか?」
- 「この中(今回の対応)で、最も不快と思われたのは、どの部分でしょうか?」
- 「このような時間にお電話差し上げたことについて、不快に思われているんですね?」[アウトコール]
クレームをもらうことを、より大事なお客様と感じさせる話法
- 「○○様のような大事なお客様を、なぜ不愉快にさせてしまったのでしょうか?」
- 「○○様のようなやさしい方を、なぜ不愉快にさせてしまったのでしょうか?」
- 「貴重なご意見ありがとうございました。また、勉強させて下さい。」
- 「こんなにお叱り頂けるほど、当社のことを考えてくださってるんですね?」
当然のことですが、
気持ちを込めて話してください。
心の入っていない、お詫びはお礼ほど、相手の感情を逆なでしてしまいます。
顔が見えなくても、人は声のトーン、間などから、表情・感情を感じ取ります。
どんな、ノウハウも気持ちが込められなければ相手には伝わりません。
クレームについての、第2回目をここで終了とします。
第3回目は、クレームから自分を守る方法です。
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