心のフィードバック理論

なぜ、人は感情に振り回されるのか

私たちは日々、出来事そのものではなく、出来事に与えた意味によって心を揺らしています。
同じ出来事が起きても、ある人は気にせず、ある人は深く傷つく。その違いは、出来事ではなく「心の中で何が起きているか」にあります。

この章では、感情が大きくなり、苦しさへと変わっていく仕組みを、できるだけ分かりやすく整理します。

心の中で起きている「フィードバック」

感情は、本来とてもシンプルなものです。

  • 何かを感じる
  • 余韻が残る
  • やがて自然に消えていく

本来は、これだけで完結します。

ところが私たちは、そこに思考を重ねていきます。

  • 「なぜ、こんなことが起きたのか」
  • 「これは良いことか、悪いことか」
  • 「また同じことが起きたらどうしよう」

この意味づけが、次の感情を生み、さらに次の思考を呼び込みます。

こうして、心の中でループが始まります。

マイクとアンプ・スピーカーに例えてみましょう

私は音楽もやってますので、この状態は、音楽の世界でいうフィードバック(ハウリング)現象とよく似ています。

マイクから入った音がアンプで増幅され、スピーカーから音が出ます。その音をまたマイクが拾い直す。これを繰り返すと、音はどんどん大きくなり、やがて耳に痛いノイズになります。これがハウリングという現象です。

心も似てますよね?

  • 小さな感情
  • それを増幅する思考
  • 感情がさらに強くなる

この回路ができると、感情は「ノイズ化」します。そして抑えきれなくなり爆発(かんしゃく)を起こしてしまうのです。

大切なのは、感情そのものが悪いわけではないということです。
問題なのは、増幅され続ける仕組みにあります。

無理に音を消そうとはしません。
増幅する回路を外すだけです。

心も同じです。心に置き換えて考えてみましょう。

  • 呼吸や身体感覚を整える
  • 違うことに集中する
  • 考え続けるのをやめる
  • 原因となる要因を見つけ、その要因を手放す

「止める」のではなく、「離れる」。「行動を起こす」ではなく「状態を整える」です。
これが、とても重要なポイントです。

「そもそも、私は?」に戻る

感情が大きくなっているとき、私たちは細部に囚われています。

そんなときに有効なのが、問いを通じて1つ前の感情に戻すことです。

  • そもそも、私は何を大切にしているのか
  • そもそも、私は何を守ろうとしているのか
  • そもそも、私はどう在りたい(どんな状態にしたい)のか

この問いは、感情を否定しません。
問いは、意図の原点に戻してくれます。

すると、心の音量は自然に下がっていきます。

巻末に、「そもそも私は何を・・・・?」に気づくシートを載せてます。このシートの質問に答えることにより、ノイズを起こしている感情に気づき、元々の意図、整った状態に戻ることが出来ます。

感情はノイズではない

最後に、大切なことを一つ。【感情は あなたの敵ではない】ということです。

感情が揺れることは悪い事ではありません。元々、人間は感情で揺れる生き物なんですから。私たちは、神でも悟りを開いた仏でもありません。感情が揺れることは当たり前。私の感情なんて毎日揺れてます。(笑)

1つだけ気を付けることがあります。
それは【感情に任せてはいけない】ということです。

感情に任せると、どんどん増幅されてノイズ(感情の爆発)になってしまいます。
大事なのは感情そのものではなく、増幅され続けてノイズを作ってしまう仕組みです。

マイクとアンプとスピーカーも、増幅回路をコントロール出来れば、
音は元の美しさを取り戻します。

心も同じです。心が揺れて様々な感情が増幅されたとしても、
本来の意図に気づきさえすれば、整った状態に戻ることが出来るのです。

この章で伝えたいのは、
感情を抑えこむことではなく、感情を増幅する回路に気づくこと。
それだけで、私たちはずっと楽に生きられるようになります。

まとめましょう。

構造(思想の流れ)

  1. 感情は揺れる存在である
  2. 揺れること自体は間違いではない
  3. 揺れが増幅するとノイズ(苦しみ)になっていく
  4. 揺れ自体を止める必要はない、気づくだけ
  5. 向きと距離を変える、一旦放してしまえばよい
  6. その上で、もう一度「意図を選ぶ」

この構造(思想の流れ)そって感情に気づけるシートを2つ作ってみました。
使ってみて下さい。

  • 「こころの水鏡」DL
  • 「そもそも私は何を・・・・?」に気づく DL

ポーズも添えると、効果的。